
今では、代表的なデザートとなっていますが、牛乳やチーズを食べる習慣が無かった日本は、1900年以前ではチーズケーキ的な食べ物はほぼ存在しておりませんでした。
1900年初頭になり、小説「食道楽」にチーズを使った食品として「そふれー」が紹介されましたが、チーズテイストのカステラと思われ当時の人々にはあまり好まれなかったようでした。
1926年、料理本「趣味と実用の西洋料理」でチーズスフレーという名前でチーズ料理の一つとして紹介され認知度が広まりました。レシピは今のスフレチーズケーキに近いものでした。
商品としてのチーズケーキは、東京のドイツ料理レストラン「ケテル」でレアチーズケーキとベイクドチーズケーキが1946年に初めて登場しました。戦後、日本にやってきた外国人向けのメニューとして開発されました。
1950年代になり、次々と外国人向けレストランでチーズケーキの販売がスタートしました。
1953年、神戸のドイツ料理レストラン「フロインドリーブ」、1957年、東京のユダヤ料理レストラン「ユーラシアデリカテッセン」が代表です。
日本人としては、1960年に東京イタリア料理レストラン「キャンティ」が初めてチーズケーキの販売を開始しました。
続いて、ホテルオークラチーズケーキの販売をスタートし、東京「トップス」がレアチーズケーキを販売、チーズケーキは徐々に日本に認知されるようになりました。
1970年代になり、神戸洋菓子店「モロゾフ」のチーズケーキが火付け役となりチーズケーキがブームとなりました。
このブームをきっかけにショートケーキ、シュークリームと並びチーズケーキはデザートの定番となりました。
1980年代になり、マスカルポーネというチーズを使ったイタリアのチーズケーキ、ティラミスがものすごいブームとなりました。ティラミスブームの火付け役は女性雑誌「Hanako」のティラミス特集と言われています。
ブームとなった背景にはイタリア料理のブームがありティラミスは「おいしさ・おしゃれ」の代名詞となりました。
デザートとして完全に確立されたチーズケーキは、各店が切磋琢磨しすばらしい発展をとげました。
代表的な例として、軽さに工夫をこらしたスフレチーズケーキが大阪の有名店で開発され大人気となりました。
北海道の名店では、人気となった新しい製法のデゥーブルフロマージュ(ベイクドチーズケーキの上にレアチーズケーキを乗せた2層チーズケーキ)が大きな話題となり通販でも人気を博しました。
東京では濃厚さを追求したチーズケーキが登場し、濃厚なチーズケーキとしてバスクチーズケーキが定番の一つになりました。
このように日本のチーズケーキが進化を続け現在のチーズケーキの世界を形成しました。
チーズケーキ関連書籍・チーズケーキ専門家のブログ等を参考にさせていただきました。